FC2ブログ

記事一覧

わたしの鳥が死んだ


中村中ミニライヴ@東京レインボープライド2017 04 29



わたしの鳥が死んだ、だから
鳥のはばたきを、あこがれ、とでも呼んでみようか

それでもまだ、地下室の地図のなか、囚われの鳥はまどろんでいて、
さびしい夏至をかくまうつもりでいるのだと、
あるはずのない窓辺で

方位のないほうへ、枯れ葉はさまよい、家具のない季節の訪れだとあなたは言う
雨という昏い行為に怯える週末の子どもたち

(……半島か、あるいは柩ほどのつつましい眠りを掘り起こす一羽の鳥のざわめき
飛ぶことのせつなさやつつましさ、ただその手段のみに住まう、鳥、という定型……)

窓辺のオリーブ園を吹き抜ける一陣の風が、あなたの首筋に恋をしながらも
形而上学のはばたきに惑うことはなく、悲歌はすぐにでも歌える
そのはばたきに新譜を織り込む鳥たちの名残とともに

わたしの鳥が死んだ、だから
その水鳥の名を呼ぶために、やわらかな動悸を引き下げて、
森のなか、珊瑚のかけらを拾う
枝から枝へ、時折、浅く深く葉擦れを装いながらも、
その水鳥の名を呼ぶために、わざと週末へ傾く子どもたち

まるで額縁にはめ込まれるのを嫌うように
碑銘のない茎をめぐって




スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント