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五月


Hiroshi Fujiwara + Shinichi Osawa Feat. Crystal Kay - Lost Child (Dub Version)



鳶が舞えば空はまるくなる(ひとは、どうだろう?)。

風のながれのなかに、ふと尖った部分があらわれる。それにふれるとぼくはこの皮膚の薄さにうちのめされてしまう。ひとは容易に風に飛ばされてしまうし、だから、風よりもずっと軽い存在なのだ。
もしかしたらたましいのほうが何倍も重いのかもしれない。
だとすれば、たましいを支えているのはなんだろう。
からだではない。たぶん、精神だ。

子どもの手からはなれた風船を見あげながら、じぶんもあんなふうにすこやかに、だれかに会いにいけないものかとひとりごちる。風船の紐のなびき方が妙になつかしい。
なつかしいものは、きらいだ。

(ページをめくるたびに、読みきれたもののなかに、読みきれなかったものの息づかいがひそんでいることに気づかないふりをつづけなければならないのだとおもいながらページをめくっているときにはもうすでに、ぼくはその読みきれなかったものの息づかいそのものを〝とりそこねている〟のだとおもう)

夜、闇を深く吸いこみ、吐きだしながらも、闇を見つづけた。なんどもなんども、くりかえしくりかえし、見つづけた。窓辺の砂時計をさかさまにすれば、きっと「じぶん」のほうが崩れてしまいそうだった。




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