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十二月


東京事変 - 幕ノ内サディスティック



ようやく目がさめた。寒い。チョークをよく折る先生だった。チョークが折れるとすぐさまつぎのチョークを拾う。手もとにチョークがなければズボンのポケットからとりだす。時折、落ちくぼんだ眼窩からするどい眼光を放ちながら生徒一人ひとりの顔を直視する。喜劇を観ているようでもあったが、だれひとりとしてわらうものはいなかった。

   *

(白鳥は目の保湿で泳ぐ、そして
あなたの息を抱く手を一緒に待っている
私たちは手の寒さで冬を知る)

   *

(平凡な人生ですキノコのお米です冬の帽子が好きです)

あちこちで建設のひびきをひびかせているまち。そのひびきは、あくまでも追憶のようなもので実感はともなわない。ぼくは午後の日ざしに双眸を細めたまま、ばかやろう、と吐き捨てる。鳥が一羽も落っこちない空、ぼくはそれを希望だとおもう。

   *

あまりにもあけすけに月明かりに照らしだされた夜は、地表に人間の根が透けて見えるようで、むずがゆい。




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