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十月


EGO-WRAPPIN' - A Little Dance SKA



つめたいあけがた。鳥たちがいっせいに森の設計図をくわえて飛びたつ。ぼくは二、三回咳をする。袖の内側にひそむなにか、とともに。

ななめになった案山子をもとにもどす。よるべのない小鳥が、よるべのない種子をさがしている。いつか、みずからおぼれてしまうような、そんなさえずりをさえずることはできるだろうか。もうとっくのとうに行き場をうしなっている、というのに。

   *

(なんどもなんども、くりかえしくりかえし、こもれびは蝶のしぐさをかくまう。蝶は光と影のあいまで――そして、聴覚が透きとおるまで――優雅に雨期を編んでいる。もうとっくのとうに行き場をうしなっている、というのに。)

   *

すこしもふしぎではないまなざしの行為、壜のなかの帆船、真っ昼間の幽霊……。

たえずなにか印のようなものをさがしながらも、ときどき、ややためらいがちに眉間にしわを寄せる。

ゆうぐれにおびえた鳥たちの、その息継ぎのつなぎ目に、葉ずれの音でもあてがってみれば、風はあなたの耳にもやさしい。もうとっくのとうに行き場をうしなっている、というのに。




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