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死を意識するひとびと(絵・ひがしもとしろう)

死を意識するひとびと(1)(絵・ひがしもとしろう)

食卓によせあつめられた
亡霊どものビオトープ
あるかなきかの息継ぎを
水平線の縫い目ににじませて
それをまぶただと
うそぶく真昼
岸辺で風をまとうのは
砂上にひとひとり、書かれては
消えていく、それのみの出会いだ
この日も雨が
筆跡をかくまうので
ふりかえると
いつも
つじつまがあわない



死を意識するひとびと(2)(絵・ひがしもとしろう)

真夜中の路上にじぶんの亡骸がころがっている。きみはそれを見おろしながら、これはまちがいなくぼくの亡骸だ、とおもう。きみは軽く靴のさきでそれをつついてみる。それは微動だにしない。それは毛むくじゃらでおまけに尻尾まであるが、それでもきみは、これはまちがいなくほんとうにぼくの亡骸だ、と確信の度合いをつよめる。きみはひそかにたかぶっている。



死を意識するひとびと(3)(絵・ひがしもとしろう)

(もし年老いた死神だったら
たぶん老眼だろうから
目があっても
あわててはだめだ)




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