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恋をするひとびと(絵・ひがしもとしろう)

恋をするひとびと(1)(絵・ひがしもとしろう)

睫毛のふるえ
というのはいったい
なんの願望のあらわれだろうか
この場所にくるとかならず
待っていてくれた
カンパネルラも
もういない



恋をするひとびと(2)(絵・ひがしもとしろう)

だれかちかしいひとのえがおには
むしろふしぜんなやりかたでこたえたい

たとえば、百本のバラ



恋をするひとびと(3)(絵・ひがしもとしろう)

たとえば胸の痛むような記述を読み継ぎながら、だれもがふれえないところから配信される、恋(どうしてわたしだと知れるのか。出会うということは、すばらしい)。公園のベンチのまわりではそのやわらかなひびきの断片を二羽のことりがついばんでいる。信憑性の希薄さに、かえって信頼をいだくことのないここちよさやふたしかさ。どちらも決まって口裏をあわせるかのように一節一節、沈黙の糸をつむぐしかない。けれどもふたりのものだとしかおもえない、恋(どうしてあなただと知れるのか。出会うということは、おそろしい)。公園のベンチのまわりではそのやわらかなひびきの断片を二羽のことりがついばんでいる。どちらかの胸の高ぶりが巧みに転写されるまで。たとえば胸の痛むような記述を読み継ぎながら、だれもがふれえないところから配信される、恋。




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