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九月(オムライス、無人駅、交差点)


GADORO/KUSONEET DREAMS [Official MV]



きのうのオムライスののこりを電子レンジでチンして食べた。それからメロンパンは二口だけ、ざりり。ジーンズのポケットにはファミレスの割引券が二枚。セロファンのようにめくれたかさぶたを日ざしに透かす。掃除機は依然としてぼくの靴下をのみこめずにいる。

種は、
風に飛ばされながらも、
着地のイメージをおもいえがいている。

「いつか人間は、波打ち際に描かれた砂の表情のように消滅するだろう」といったのはフーコーだったか。核のある世界に生きることのあやうさを、いかにわすれずにいられるか。行き場のないこの遠さ、に目をこらす。いつか鳥の影のように、なんのまえぶれも脈絡もなくここからいなくなってしまえれば……。

しずかなひるさがり。無人駅にひとむかしまえの伝言板があり、きれいな海のいろで「みんな、かかわりない」と書かれていた。廃線になってひさしい鉄道のレールが撤去されず、そのままのこっている。おもいきり駐車禁止のカラーコーンを蹴ってみる。もしジョロウグモかなにかの円網からこのまちを見透かすことができれば、すこしはこの人生もちがって見えるかもしれない。

交差点のまえで、ふと、ちがう道を走ってみようとおもった。信号が青にかわる。方向指示器をだす。アクセルを踏み、ハンドルを右にまわす。クリムゾンをききながらも、法定速度だけはまもる。
営業しているのかどうかわからない、さびれた喫茶店に胸が高鳴った。お好み焼き屋もある。道はひろくはないが、交通量もない。そうか、ここからこの橋にでるのか。もしかしたらいつものコースよりも早く帰れるかもしれない。

(いまでもそうだ、がんじょうなものはあまり好きではない。
あおむけのセミを起こしてしまったときのように、
ふれればどこかへ飛びたってしまえたら、)

   *

ぼくがふりむけば、きみもふりむく。けれども、ぼくたちはぜんぜん顔見知りになれない。


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