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九月


【日本語字幕】チャウシェスク 最後の演説 "ルーマニア革命" -Nicolae Ceausescu last speech "Romanian Revolution"



個人の自由は、どこか郭公の托卵に似ている。

   *

窓も扉も雨樋も、ほとんどのものがゆがんでしまった、ふるい家のまえのベンチに、老夫婦と犬が一匹、まるでよりそうようにすわっていて、なんともほほえましい光景だった。しばらく歩いてからふりかえってみると、もう、犬も老夫婦も、いなかった。

風のなかでしずかに熟れていく果実がある。それは食べるためのものではなく、見つめるためのものにちがいない。あるいはそれはぼくの寿命をはかるものかもしれない。ぼくはその場にたちすくみ、じっと、その、ありもしない果実に目をこらす。ひとは死にたくないからこそ、死ぬしかないのだ、そうでなければ死があるはずがない。

缶をふってドロップをひとつ、とりだす。
むらさきいろ。をほおばる。
もしかしたら好きなひとやおもいでをわすれるのも、
こんなふうにあまったるいものかもしれない。
おもいだすのをこばむほどのあまやかさを、
あるいはいえなかったことや
いわなかったことを、
舌のうえでもてあそんでみる。

この、だれでもなさ。

   *

When the sun wrinkled,
trying to die with sugar that could not die.

(太陽がしわになったとき、
死ぬことができない砂糖で死ぬことを試みる。)




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