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午睡のまえに

午睡のまえに(絵・ひがしもとしろう)
(絵・ひがしもとしろう)



(虹の影響を受けた橋を渡って
ぼくは漠然ときみの瞳を引用する)

   *

近所の思春期
それが悲しい表現に束縛されながらも
黙々と
しかし確実に
石垣に沿って歩いていく
終わりのない海が波打つように
けだるい生活を託っている

今年も森を最初のページに埋めた雪は降るだろうか
風はすっかり乾ききって生の実感が不足しているというのに
(ぼくは始まりの音の壺の中にきみの秘密を隠す)

公園で金色の不規則性が燃える
そして燃える猫がつぎつぎと飛び出してくる

画家がありとあらゆる思春期を描写する
浮浪者が巨大蜘蛛を一口で平らげると
学者の思考は世界中のガラスに反映される
(無論ぼくたちは世界中のガラスを所有している)

   *

……………………………………………眠ろう
誰の物かわからないカフスボタンを握りしめ
水底に沈む月のように




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