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書物の森

日曜日のベッドの上
楷書の姿勢から逃れることができない
本棚をぼんやり眺めていると
パジャマのポケットの中から犬が三匹飛び出してきて
いつの間にか書物の森に連れ去られている
枯れ木に座っている〈晴れのち曇り〉が
少し歩こうかと話しかけてくる
木々につり下げられた日めくりが
ものすごい勢いで捲れ出す
誰かに監視されているみたいで落ち着かず
唇が勝手に歌をうたう
白いかなりあ 白いかなりあ
蝿の視線すらまともに受け止められない
私の愛読書はどこだろう?
巨大な蛇が花時計の長針に巻きついていて
空では天国の主題を追い求めるように星がまたたいている
白いかなりあ 白いかなりあ
私はずいぶんと遠いところに来てしまったようだ


(日本海詩壇入選作品)


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