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静けさの復習(64)

 見つめあうとすぐにぼくたちのまなざしははぐれてしまう。何度もまなざしをからませようとするがだめだ。まなざしをあきらめてほほえみあってみても、それはそれで、なんのかかわりのないもののようにおたがいの目のまえで消滅してしまう。ぼくたちはきっと、じぶん勝手でわがままなのだ。ほんとうは相手のことなど一切、見ていないのだ。そういうことを知れば知るほど、なぜだろう、かえってぼくたちははなればなれになるのがこわい。こわくてこわくて、たまらない。
 ぼくは額に手をあてる。こいびとも額に手をあてる。まねするな、というと、まねするな、といいかえされる。そんな午後だ。


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