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静けさの復習(47)

 真っ赤な建物ばかりが建ち並んだまちを歩く。どこもかしこも真っ赤っかで、均等で、どの建物もその構造のみを残してほとんど機能していないようだった。
 色彩を失うのとはちがい、最初からその色彩しかないというのはこんなにもおそろしいのかとぼくは思った。そしてすぐに、記憶喪失というのは記憶を失ったのだという記憶や感覚だけは残されているのがまだ救いなのだ、ということに気がついたが、だからどうした、だからなんなんだ。
 こんなまちのなかをひたすらさまようしかないようなら、ぼくたちはきっとクラゲにもなれないだろう。
 あきらかにこのまちは入り日と相性がわるい。


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