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詩作品「祖国」(ひがしもとしろうさんの絵とともに)

私は、名付けられぬ者たちに導かれて、「さようなら」の季節のへりを泳いでいる。

(……できれば博識な幽霊にとりつかれたい。
ジョーカーにもならない為政者ではなく、
円熟と、それに耐え得るほどの知性を持った幽霊に……)

歳月は考える余裕を与えてくれない。
祖国、そのささやかな喜びを抱えて、
また一つ年を取るだろう。

鳥も、魚も、為政者たちが大声ではた迷惑な
演説をぶつ前は、ぜんまいのようにふるえるらしい。
そして、今夜も月の伴奏者に段落はなく、欅の老樹の陰に隠れているもの、
私の季節――
私の季節が輝かしく恒星を振り落としている。

夜が明けると、放置自転車に撤去予告の札を貼ってまわらなければならない。
私が自らの感受性につまづく時、
あるいは、私の誕生日に町じゅうの洗濯物がはためく瞬間、
祖国、
それが何を意味しているかわかるだろう。

今のところ、私は、ありもしない「祖国」をのんで、そこく、とつぶやくしかない。



ひがしもとしろうさん風景


ひがしもとしろうさん風景2


ひがしもとしろうさん人物


ひがしもとしろうさん人物2


ひがしもとしろうさん人物3


ひがしもとしろうさん群衆


ひがしもとしろうさん椅子


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