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記事一覧

日原正彦さんの詩「鳥」(詩誌『橄欖・第一一三号』)を読む

 日原正彦さんの詩を読むと、ことばをうしなう。いつもそうだ。 あ。 とおもったら、もうおそい。 ぼくにとっていい詩とは、 あ。 とおもわせてしまう詩のことである。 もちろん、はっと息をのむ詩もいい詩だし、しばし、あぜんとしてしまう詩もいい。 いい詩には、ことばをうしなわせてしまうなにかがある。 そのなにかとは、いったいなんだろう? きっとだれもこたえられやしない。詩人だってお手上げだ。 でも、ひと...

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(たいせつなものは)

たいせつなものは   ひとつだけある...

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ありふれた挨拶のさなかに

ありふれた挨拶を交わし合いながらもこうやって季(とき)は忘れ去られるものなのかいつかの波打ち際に取り残された波しぶきがさっと吹き流れてくるように風が花びらを運び そしてまた別の花びらを連れ去ってしまう純白の花びらはたえず吹きつづけるそよ風にはなんの関心も示さないがつかの間の静寂のあとに訪れる風には毅然とした態度をひるがえしこの身をすっかり預けられるものらしいやや赤みを帯びてふるえる木の葉やむっと立...

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永遠の嘘をついてくれ

永遠の嘘をついてくれ /吉田拓郎死の〝いつか〟性がこの身のうちにあるのならどうしても愛を知らなければならないだけど、きみにだけは上等な嘘をつきつづけなければならないこうでもしなければもうこれ以上、精神がもちこたえられそうもない(西原理恵子『いけちゃんとぼく』)...

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糸 - 桜井和寿ふりかえってみれば、あいさつをかわすてまえで、糸のふるえはわかっていた、はずだ。だから、問うよすがは「どこにいたのか?」だった。まだよく知らないうちに、知っていた。いったいいつまでこの自明さについておもいかえし、過ぎ去る日付にたえつづけなければならないのか。こんがらがった糸をほぐすように、どこにも導くことも、導かれることもないしぐさのくりかえし。たとえば、もう来ない約束の切れ端を、波...

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(2019.4.8)

雨の予感を宿している、死者も生者も。たえず〝帰ろうとしない〟のだから、どちらが岸辺で波なのか。あるいは、そのどちらもが岸辺であり波なのかもしれない。すでに誰のものでもない渇きや飢え、種や芽吹きを懐かしがるのは、いったい誰なのか。忘れられるあなたに先立って、残された私は何を思うのか。私とは、誰なのか。共に在って共にないもの同士が、すこしずつ、ずれていく。波が波打ち際で、伝えたいことを伝えられないよう...

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春の小川

公園のベンチで泣けなかったらいったいどこで泣けばいいのだろうこんなにもきれいな春なのにまばたきさえも暮れきって喉もとから朽ちていく...

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(世界中の自動化は)

世界中の自動化は人類の自動化でもあるだろう予定通りあくびしてやる...

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