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記事一覧

大坪あんずさんの詩「カノン」(詩誌『space』137号)を読む。

 うつくしい詩だとおもう。 うつくしいことばたちだ、とも。 この詩のまどべで、「わたし」や「あなた」は、かなしみやせつなさ、うつくしさの距離を切実に測りそこねている。わたしの〝近さ〟があなたの〝遠さ〟を見つめすぎるとき、あるいはあなたの〝近さ〟がわたしの〝遠さ〟にふれすぎるとき、ふたりはきっと、行と行、ページとページのまばゆい余白の向こうへ消えていってしまうのだろう。 おたがいがおたがいの「ことば...

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生命(いのち)を食べる

「第41回鳥取県出版文化賞 エッセー賞」で佳作に選んでいただきました。よかったら読んでみてください。 生命(いのち)を食べる 二年ほど前に、僕の村で総事(そうごと)があった。「総事」というのは村中総出で作業を行うことである。 午後一時過ぎ。徒歩で梨畑に向かっていると、背後からクラクションを鳴らされた。「おい、これからええもんが見られるで。連れていったるけえ、後ろに乗れぇや。後学のためにも見ておいた方...

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