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「支持体」あるいは〝メモリー・ウォール〟(Memory Wall)/消し残された断片たちのゆくえ――フナイタケヒコ展~空中庭園/断片2016~

 あなたはときどき、日常のなかでふいに、きょうこそはずれたい、というおもいにかられることがある。「いま」からも、「ここ」からも。いや、「わたし」そのものからも、はずれていたい、と。 だから、あなたはしらずしらずのうちにギャラリーへ足をはこぶ。あなたのまちにあるギャラリーへと。あるいはまだいったことのないところへと。 そこにはかならず、一瞬にしてあなたをあなたからはずすなにかがある。 なにか――。  ...

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どこでもない此処で――詩集『水灯り』によせて

「昨夜のうちに ひっそりと積もった雪は/あくる日の光に溶けはじめると/その夜は 冷気を拒んで/踏みしだく足に/さりさりと呻きつく/悲しい音だ/覚えていなければならないことを/忘れてしまった寂しさだ/一人夜道を/なぜ歩いて来たのか」(「足音」一連) なんでもないときに幼いころの記憶がよみがえってくることがある。これまでずっと思い出そうとしても思い出せなかった、もうほとんど忘れかけていた光景が、ふいに...

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