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記事一覧

わたしの鳥が死んだ

中村中ミニライヴ@東京レインボープライド2017 04 29わたしの鳥が死んだ、だから鳥のはばたきを、あこがれ、とでも呼んでみようかそれでもまだ、地下室の地図のなか、囚われの鳥はまどろんでいて、さびしい夏至をかくまうつもりでいるのだと、あるはずのない窓辺で方位のないほうへ、枯れ葉はさまよい、家具のない季節の訪れだとあなたは言う雨という昏い行為に怯える週末の子どもたち(……半島か、あるいは柩ほどのつつましい眠り...

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散歩の言い訳

コトリンゴ -「 悲しくてやりきれない 」幽霊ににおいがあるのであれば、もしかしたら苔の表面に結露した湿気のにおいに近いかもしれない。すっかりきのうの幽霊にとりつかれてしまったようだ、ときどき、肌寒い感触にからだがぶるっとする。雨音には、どこか見知らぬひとのささやきがまぎれこんでいるようで、いつまでも耳を閉じることができない。あるいはゆうぐれの深さをおよぐ魚にでもきいてみようか。   *柿の木の枝にひ...

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八月(Short Version)

 毎朝、なじみつつある闇をむりやりひっぱがすようにして目をさます。しろくまぶしい窓の外からの日ざしに目をほそめる。多少のどが渇いているが、からだは汗をかいていない。電線のうえのカラスが、ふいにおもいがけないほどするどい声をはなつ。セミもじょじょに鳴きはじめている。だてメガネは、まるで前世紀の遺物のように机のかたすみにころがっている。みずいろのカーテンがみずいろの風にくすぐられ、いまにもみずいろの便...

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たとえば、地球のこととか、ひとのこととか

O "Fly On" - Coldplay 地球が水を一滴もこぼさないように、ひともまた、ひたすらたえなければならないのか。しかし、いったいなににたえろというのか。なにに、というよりは、なぜ?――その「なぜ」にたいしてもうまい言い訳が浮かばない。もしかしたらなにもないと決めつけていたところになにかがあるのかもしれないし、書きものやおしゃべりをやめたとたんにはっと気がつくこともあるのかもしれない。地球が水を一滴もこぼさな...

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Gilels plays Rachmaninov: Vocalise op.34 no.14蛍は夜があかるいと相手をさがせなくなってしまうのだと、あなたはいった(森の入り口には壊れた漁船と掘っ建て小屋があった)あなたとならんで歩くと決まって風のかたわらにある葉ずれの音や落ち葉を踏む音があざやかで、抱擁の遠さなら織り込みずみなのにたとえ気まぐれにほほえんでみたところでさびしいのはおたがいさま、なのだとおもう――雨に濡れきった蛍は、あいづちさえ気ま...

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